1,そのマンションの価値、価格を上げるデザインが提案できる設計者ですか。
大規模修繕は仕上げを再度塗り替えるだけの設計では建物の価値は上がりません。特に、築後30年、40年以上経過しているマンションでは、当時のデザインや製品では耐久性能も悪くなり機能性にも支障が出てきます。
事例:40年以上経過したマンションをリノベーションした事例です。
<解決案>
・アルミサッシからの隙間風を無くし、断熱性、遮音性、気密性が向上するペアガラス
・エントランスを石貼り、ガラス製手摺に更新
2,優秀な医者と同じく、その建物の処方箋として最適な材料と工法が提案できる設計者ですか。
大規模修繕では設計者により、ただ事務的に今までと同じ材料(処方箋)を見積に指定しているだけではありませんか。
屋上では真夏に太陽の温度もバルコニーとは比較にならない60度くらいまで上昇します。また紫外線は様々な建築材料である化学製品に悪影響を及ぼします。
事例:雨の水切り防水対策のアゴ、パラペット天端はウレタン塗膜材を塗布していますが紫外線による亀裂、ヒビ割れが多く見られます。そのアゴは台風などの強風により、漏水の原因となっています。
<解決案>
・強風で雨水が入り込む原因である端部シールを塩ビシートで覆う納まりとする
・ウレタン塗膜防水材より熱線、紫外線を反射する遮熱型塩ビシートをパラペットまで貼ることで、表面温度も上がらず耐久性が格段に向上する
3,現場でその説明に必要なスケッチを書ける設計者ですか。
大規模修繕には住民からの要望が突然でたり、足場からの検査で診断時には分からなかった追加修繕工事が出てきます。
その時に指示や見積用指示スケッチが無いと工期が遅れ、組合との契約工期内に完成できないと仮設シートの撤去が遅れ、住民の大きなストレスとなり苦情が出ます。
事例:24棟もあるため最後の段差レベルも異なり、微妙な段差調整も必要な1階の外部階段が錆で腐食し危険な状態です。
<解決案>
・メンテナンスのほとんど不要な亜鉛メッキ材+コンクリートPC製の段板
・最下段で金物で上下に数センチまで微調整できるように調整ボルト
・24棟もあり相当な最後の段差はコストの安いU雨水用コンクリ製品利用